安全・安心の観点から、流通履歴の追跡(トレーサビリティ)の重要性が注目されています。
ucodeにより個体を識別し、 規格・ロット番号の属性や出荷・入荷先、設置場所を記録・管理するための基盤研究を行っており一部は実用化されています。
ケーススタディーⅠ:住宅履歴管理「いえかるて」
住宅を、世代を超えて使い続けるためには、長期にわたる使用期間における、設備更新、修繕・リフォーム、売買などの局面で、その住宅の過去の諸情報(住宅履歴情報)を活用できることが重要となります。これを実現するための取り組みとして、一般社団法人住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会が設立されました。個々の住宅を識別するIDとして、ucodeに基づく「共通ID」が導入され、これに住宅履歴情報が紐付いて管理されています。
ケーススタディーⅡ: 住警器のトレーサビリティ(ベターリビング)
誰が作った、どんな住宅部品を使い、誰が運んできて、どう施工し、どう検査したのか。財団法人ベターリビングが、居住者のこうした不安を解消できるシステム「住宅部品のトレーサビリティ管理システム」を運用しています。
個々の住宅用火災警報器は、ucodeにより識別され、そのucodeに製造・施工・検査の履歴が紐付いています。
ケーススタディーⅢ:食品トレーサビリティ実証
食品トレーサビリティシステムは、食品の生産・加工・流通それぞれの段階で発生する情報を記録し、それらを用いて問題発生時に原因や影響範囲をすばやく特定する仕組みです。
生産・加工・流通にかかわる個々の食品・製品およびロットをucodeで識別することにより、流通過程で荷姿が変化した場合でも途切れずに情報を管理できます。
ケーススタディーⅣ:医薬品トレーサビリティ実証
薬事法が改正され、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」となり、新しい法律では生物由来製品市販後安全対策の強化として製薬メーカ・卸・医療現場で、製剤名・規格・ロット番号などの販売記録、使用記録の保管管理(保存期間等)が義務化されています。
個々の医薬品をucodeにより識別し、RFIDタグを利活用した流通履歴の記録を行うことで、より安全・安心な医薬品供給へと繋がると同時に、医薬品物流効率化や医療過誤防止への貢献も期待されています。