PDSとはPersonal Data Storeの略で、ユーザー属性情報をセキュアに一元管理するシステムです。具体的には、エンドユーザーが自身のユーザー属性情報を一元管理できるようになっており、ユーザー属性情報を蓄積し、エンドユーザーが自ら管理のもと、サービスベンダーに適切に渡せるように、「仲介」を行うオープンなプラットフォームです。 

ケーススタディ:「おもてなしクラウド オーパース・ドット・アイオー(通称)」─「OPaaS.io」

当研究所はIoT を活用した汎用のPDS(Personal Data Store)である「おもてなしクラウドオーパース・ドット・アイオー(通称)」─「OPaaS.io」の実現に向けた研究・開発およびそれを実用化した実証実験に取り組んでいます。

最初に顧客(消費者)は、使用言語、食の禁忌、免税手続きのためのパスポート情報などの個人属性情報をクラウドに登録します。すると、スマートフォンアプリや交通系 ICカード、QRコードをキーとして、サービス現場で必要なものを簡単に呼び出してさまざまな店舗や公共サービス等に渡すことができるようになります。

また、サービスを受ける側が、そのための自分のパーソナルデータをクラウドへ預託し、必要に応じてサービスベンダーに渡す形で顧客( 消費者)がベンダーを管理します。

これは、従来のCRM(Customer Relationship Management)と立場を逆にするVRM(Vendor Relationship Management) の考え方であり、OPaaSoはVRMを目的としたPDS です。この機構は、海外からの旅行客だけではなく、日本国内でも汎用性の高いサービスプラットフォームとして利用できるように設計されています。従来CRMを構築する余力がなく、導入できなかったような地方の小さいサービスベンダーでもこれに参加することで、IoT時代に適したサービス提供が可能になります。

OPaaS.ioの全体像

図1:OPaaS.io のイメージ

パーソナルデータの提供イメージ

図2 : VRMのイメージ